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入職のきっかけ回復期リハビリテーション病棟のある施設で勤務したい、と恩師に相談したところ、当院を紹介いただきました。母校の先輩がたくさん在籍していて相談しやすい雰囲気を感じたこと、リハビリテーションセンターがきれいで広く、歩行練習支援ロボットや懸垂装置などの先端機器がそろっていることが、入職の決め手となりました。
入職して半年後の状況入職前、期待よりも不安が大きくなったときがありましたが、入職後2週間の新人研修の中で徐々に緊張がほぐれていき、先輩や同期に支えられて、現場に入っていくことができました。配属後も、先輩に相談しながら、前向きに働けています。目標設定や治療計画が苦手ですが、丁寧な評価を心がけ、治療効果を判定し、少しでもよい治療を届けたい想いで毎日取り組んでいます。
今後の抱負現在の治療成果を分析し、必要な知識、スキルを学んでいます。図書や文献を読んだり、新しい治療を同期や先輩と一緒に練習しているほか、月に10回ほど大学の先生がお見えになり、一緒に患者さんを診てもらっています。患者さんがよりよくなるための評価治療を、実践で指導していただいています。早く経験豊富な治療が行えるように、同期と切磋琢磨していきたいと思っています。
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野球をしていた学生時代、肘の故障でボールを投げられなくなりました。当時(約30年前)はリハビリテーションを受けられる環境が少なく、自分のような選手を支えられる人になりたいと思い、理学療法士になりました。学校卒業後は急性期病院で運動器、呼吸器、循環器のリハビリテーションを学び、その後、義足の診療が盛んな病院で研鑽を積みました。義足の理学療法では、自身の医学的知識の未熟さを痛感し、糖尿病、慢性腎不全、透析、閉塞性動脈硬化症の病態と診療ガイドライン、義足歩行の運動学、断端管理、運動負荷について猛勉強しました。植木職人の切断患者さんを担当した際はいくつもの困難を伴いましたが、復職され、下腿義足で脚立に登り剪定作業をされているとお聞きしたときはとてもうれしかったことを、昨日のことのように覚えています。地域医療に携わりたいと考え始めたころ、学生時代の先輩にご縁をいただき、当院へ入職しました。
入職時には理学療法士として10年目を迎えていたので、初心にかえって自身の診療を見直し、3学会認定呼吸療法士、住環境福祉コーディネーターの資格をとりました。重複障害で介助を要する後期高齢の入院患者さんの担当となった際は、ご家族が施設での生活を検討されていたものの、患者さんは自宅で過ごすことを希望されていたため、連日、機能改善とご家族の介護力に合わせた介助を一緒に練習しました。無事、自宅に退院することとなり、退院後はベッド上だけの生活ではなく、居間のソファーから庭を眺めるなど、ご家族と健やかに過ごせたと伺いました。入職前に志したことが少し実現し、自分の診療に勇気をいただけた経験でした。
現在は、リハセンターの診療実績と勤怠管理を行いながら、診療にも力を注いでいます。対麻痺患者さんを対象に、スライド式仮想軸内側股継手(Primewalk)を用いた歩行練習を行っています。これはこの数年で覚えた私にとって新しいことです。また、「守山顔の見える会」「在宅医療連携協議会」に参加し、活動の幅を広げさせていただいています。
当院は、回復期リハビリテーション病棟100床、一般病棟51床、療養病棟48床の計199床です。リハビリテーションは、回復期や生活期を中心に、機能改善、在宅復帰支援、QOL向上を行えるように精進しています。2024年には診療報酬・介護報酬の同時改定、各疾患ガイドラインの更新があるので、迅速に情報を収集し、安全安心納得のリハビリテーション医療を提供していきたいと思います。
守山市を中心とした近隣住民の方々へ「守山市民病院で診てもらえて良かった」と思っていただけるように、これからも全力で頑張っていきます。
高校時代の野球部で、理学療法士の先生から身体の鍛え方、ケアの仕方を教えていただいた経験が、理学療法士を目指すきっかけでした。大学入学後、実習や就職見学を通して病院で活躍する先生に憧れの気持ちを抱き、現在に至っています。当院へ入職したのは、回復期リハビリテーション病棟を開設すると知って、開設に携わってみたいと考えてのことでした。
開設から4年が経った今、診療を中心に仕事をしていますが、病棟責任者とともに、チーム運営にも携わっています。回復期リハビリテーション病棟53床(3病棟)の患者さんの病状、治療プログラム、診療の進み具合を多職種で把握し、適切な診療の提供が行えているかを深く考え、日々を送るように努力しています。
当院のリハビリテーションセンターは、若いスタッフが多く、明るく活気があります。一方で経験が浅いとも言えます。この点は、大学教員に直接臨床指導をしていただく教育体制で質を確保しています。また、ここ数年は、疾患ごとに定量評価を定期的に行い、蓄積データから診療の課題解決を行っています。この分析は、臨床研究の成果として学会発表も行っています。常に学べる環境があり、課題のレベルが高いと思うときも、同期とともにチャレンジできています。
チーム運営のほかに、歩行練習支援ロボット(トヨタ自動車株式会社製『Welwalk WW-2000』)を用いた下肢麻痺者の歩行再建に力を注いでいます。当院から、私を含めた2名のPTが、Welwalkリーダー研修に参加しました。安全な機器操作はもちろんのこと、身体機能に応じたロボットアシストと懸垂機能、高次脳機能に応じた視覚・音声フィードバック機能を活用し、練習ガイドを参考に最適な練習プログラムを提供し、歩行障害をもつ多くの方を改善していきたいと思っています。これからも、リハビリテーションセンターの仲間とともに最先端リハビリテーション診療に取り組み、地域のみなさまから選んでいただける病院になるために、先頭に立って進んでいきたいと思っています。
もともと運動が好きで、高校時代はバスケットボールに打ち込み、将来もスポーツに携わる仕事がしたいという気持ちがありました。担任の先生や両親から理学療法士という仕事を教えてもらい、最も臨床実習時間の多い愛知県の大学に進学しました。3年生の臨床実習では、歩行練習に長下肢装具が必要な脳卒中の方を診療する機会をいただきました。その方は歩行練習支援ロボット(ウェルウォーク)での練習も併用されていました。実習当初は最大介助が必要でしたが、7週間の実習最終週には、見守りのもと、短下肢装具と杖を使用し10mの歩行が行えるようになられました。とてもうれしい気持ちになるとともに、ウェルウォークでの歩行練習の効果に感動しました。この経験もあって、就職先は、回復期リハビリテーション病棟があること、ウェルウォークがあること、リハビリスタッフが多く相談しやすい環境であることを希望し、当院に入職しました。
初めて脳卒中による重度な障害のあるご高齢の方を担当した際、装具療法の効果を実感しました。学生時代から、装具の目的や方法を講義・文献と実習で習ってきましたが、「自由度制約による運動の単純化」「徒手による誘導=促通」「課題難易度設定」を経験できました。当院では、「Remodeled Adjustable Posterior Strut:RAPS」という下肢装具を使用することが多く、患者さんの随意性の変化に応じて、適宜、角度設定や支柱を調整しています。練習中は、患者さん自身での動作修正の経験を妨げず、かつ機能を引き出すことに注意して、誘導や介助を行っています。RAPS、免荷装置、補助具を活用し、自力で行える歩行の練習環境では、歩行困難となった患者さんも元気を出されて、集中した練習を行っていただけました。今後もこれらのことを意識し、知識と技術を磨いていきたいと思います。
わからない、迷う、という時間を減らし、行動することが大切だと分かってきました。膝関節周囲の術後の若い方で、職場復帰を目指し、大幅な膝関節可動域の改善が求められたとき、基礎・基本から考え直し、治療の仮説を立て、練習プログラムを実行した結果、よい成果を出せました。この症例を通じ、先輩から教えていただいた文献、徒手療法、超音波療法のやり方など、課題に対してどのように学ぶとよいかを知ることができました。また、真に患者さんのニーズに寄り添えるようになるためには、リハビリテーションチーム内での積極的な情報共有や連携が必要であることも学びました。先輩後輩とともに、今まで以上に診療レベルを高めていき、一人ひとりの患者さんに対し丁寧に向き合っていけるよう努めていきたいと思います。
医療従事者の母と姉から紹介してもらった理学療法士に興味をもち、大学へ進学しました。高度救急医療が行われている附属病院の臨床実習で、集中治療室の中で活躍されている理学療法士の先生を拝見し、感動を覚えました。実習を重ねていくうち、最先端リハビリテーション機器を用いた診療をしている回復期リハビリテーション病棟がある施設で働きたいと思うようになり、当院に入職しました。多数の機器が導入されていますが、一つひとつ機器の使用方法のレクチャーを受け、実臨床で指導をいただきながら学べています。
病棟ごとに療法士チームがあり、相談しやすい環境です。歩行練習支援ロボットを用いた歩行練習を行う症例を、初めて主担当として担当した際、脳卒中の症状に応じたロボットアシストで練習を続けると麻痺の改善が高く、運動習得が早いと感じました。また、高次脳機能障害に合わせた視覚および聴覚フィードバックが大切であることを実感しました。運動学習という概念を臨床で用いる際、主要7変数(転移性、動機づけ、行動変化、フィードバック、難易度、練習量、保持/応用)に沿って考えることが役立つと考えられています。この概念をもとに、歩行練習支援ロボットチームは、毎週、カンファレンスを行っています。症例検討で治療について議論し、治療が進むようにチームで取り組んでいます。
寝返り、起き上がりなどの基本動作が全介助の患者さんの在宅復帰に向け、体の負担が少ない介助方法を習得していただく際に、わかりやすい説明について深く考える機会をいただきました。写真を使い、専門用語を避け、言葉を少なくし、理解していただく順序に気をつけることが大切と学びました。現在、わかりやすく説明するためのトレーニングとして、症例報告の準備をしています。苦労することも多いのですが、上司に指導をしていただきながら、IMRAD形式(Introduction Materials and methods Results, and Discussion)で、自分の考えを効果的に伝えられるようにスライド作成と発表の練習を行っています。今後も、知的好奇心を大切にし、日々の疑問をその日に解消するようにし、患者さんへ最良のリハビリテーションを届けられるようにしたいと思います。
滋賀県の実家から通勤できる場所で働きたいと考え、済生会守山市民病院の見学に参加しました。見学では、スタッフの方々が笑顔で患者さんとコミュニケーションをとっていて、とても和やかな雰囲気を感じました。若いスタッフが多く、同年代で助け合いながら仕事ができそうだと思いました。また、リハビリテーションセンターがとてもきれいで、たくさんの先端機器があり、それらの機器を使った効果的な理学療法を行えるようになりたいと思ったことも入職のきっかけです。
日々の診療では、回復期リハビリテーション病棟における患者さんの病状、身体認知機能の変化を定期評価しています。これらの情報をユニット(3人1組)とリハビリテーションチーム内で共有し、リアルタイムで適切な治療を行えるように努めています。定期評価の中では、日常生活動作の動画撮影を行っています。高校の頃所属していた水泳部でも、定期的に動画撮影をして、フォーム改善の研究をしていた経験があります。動画は動作を客観視でき、患者さんへのフィードバックに役立っています。先輩療法士にもすぐに見ていただいて、分析し、課題を発見することができています。主観的評価と客観的評価を合わせて治療を考えられる環境にあり、とてもやりがいを感じています。
経験のない症例を担当する際は緊張します。しかし、私自身、高校時代に骨折し、整形外科クリニックで理学療法士の先生にお世話になって再び部活で活躍できたことや、臨床実習で指導していただきながら、変形性膝関節症の術後の方に対する評価、仮説、治療、効果判定を繰り返してリハビリテーションを進め、痛みがなく歩行できるようになられた経験が支えになっています。
直近の目標では、疼痛を軽減させられる徒手療法、随意性改善のための促通のスキルを高めたいと思います。そして、複雑な症例の患者さんに出会っても、患者さんとともに細かく目標を設定し、退院後の生活を支援する理学療法士になれるように、これからも、知識、技術を身につけていきたいと思います。
高校の進路選択の時期に、「Artificial Intelligence; AI(アーティフィシャル・インテリジェンス)」により人間が行う職業が減っていく、という記事が話題になっていました。またその頃、大伯母(祖母の姉)が圧迫骨折し、自由に動けるようになるにはどうすればよいのかと考えていました。この2つのきっかけと、病院に勤めていた母の勧めもあって、理学療法学科へ進学しました。
卒業後は回復期リハビリテーション病棟がある施設で働きたいと思い、インターネットで就職先を探していたところ、守山市民病院のホームページでロボットでの歩行練習などが目に留まり、施設見学に参加しました。リハビリテーションセンターは想像以上に広く、大きな窓からたくさんの光が入り、とても明るい環境であったことに驚いたことを覚えています。また、患者さんに対してスタッフの方々が明るく声をかけられているのを見て、この環境で働きたいと思い、当院に入職しました。
私の所属している3病棟(回復期リハビリテーション病棟)は、理学療法士19名、作業療法士10名、言語聴覚士3名と、多くのスタッフが在籍しています。スタッフの多くは20代で年齢が近く、診療や業務において質問がしやすい環境です。主な対象患者さんは、脳卒中、脊髄損傷、骨折、廃用症候群のご高齢の方です。同じ病気、怪我をされていても、症状がそれぞれに異なりますし、人生観や生活環境といった患者さんの背景もそれぞれです。個々のニーズやご希望に沿えるようにと考え、理学療法に取り組んでいます。まだまだ力不足ではありますが、回復していく過程で患者さんが笑顔になられると、とてもやりがいを感じます。
回復期リハビリテーション病棟でのリハビリテーションを通じ、見識を広め、自分自身の強みを作っていきたいです。現在は、歩行障害の治療をすることが多く、脳卒中片麻痺患者さんの歩行再建、パーキンソン病患者さんの歩容の改善、歩行時の痛みの軽減の治療を頑張っています。評価を行い、仮説を経て治療を行い、即時効果が確認できたときは、患者さんと一緒に嬉しくなります。
学生時代の臨床実習では、担当患者さんから「待ってたで、今日何する?」と声をかけてもらった経験があります。これからも、私のリハビリテーションを心待ちにしていただけるように、力をつけていきたいと思います。
祖母の入院中、病院でリハビリテーションを行っている様子を見て、療法士は困った人の役に立つ仕事だと思い進路を決めました。
実習では、患者さんから将来に役立つお話をたくさん聞くことができました。一方で、指導に当たってくれた先生の担当患者さんが亡くなられる場面にも遭遇し、限られた時間の中で、自分ができることをしっかり行っていきたいと強く思いました。
就職は、地元である愛知県を出て新しいことにチャレンジしたいと思っていました。「滋賀県に、学びが多く設備が充実している病院がある」と当院のことを聞き、入職しました。期待通り新しいことにたくさんチャレンジでき、大変なこともありますが、充実した毎日を過ごせています。
仕事は忙しい日が多いですが、先輩後輩の関係がよく、メリハリをもって勤務できていると思います。また、臨床などで困っていたらすぐに相談できる環境で、丁寧に教えてもらっています。
義足の患者さんを担当したときのことです。いざ患者さんが義足を装着し、立ち上がり、歩かれると、教科書で勉強したようにはいきませんでした。先輩療法士は、評価をして容易に対処されるのですが、同様の対応ができるようになるまで苦労しました。身体機能の正確な評価、評価に合わせた義足の調整、日内・練習中・経過で変化する断端とソケットの適合、その条件で動作能力を高めるための練習、これらを行い成果をあげていくためのヒントは、患者さんの言動の中に隠されている、ということに気付きました。とてもよい機会になり、感謝しています。
患者さんから、いろいろなことを学ばせていただいています。特に印象に残っているのは、当院の回復期リハビリテーション病棟に1ヶ月間だけ入院された90代の患者さんです。当初は廃用が著しく寝たきり状態だったのが、移乗は自立、歩行器歩行は見守りとなりました。自立が達成できそうでしたが、ご本人の意向でご自宅へ退院されました。目標をもって行動する大切さを目の当たりにしました。また、その方から伺った「生きる上で大切にするものは、1に自分、2に子供、3に奥さん、4にお金」というお話と、ある脊髄損傷の患者さんから伺った「常に今できる最大のパフォーマンスを出す」というお考えから、自分の人生は健康からはじまり、今の状況で最大限のパフォーマンスを発揮する意識が大切だと学びました。いつになるかわかりませんが、ひとつのことを極めて、人の役に立てるようになることを目標に頑張っていきたいと思います。
理学療法士を志すきっかけは、身体の動きに制限のある方々をサポートする「動作の専門家」としての役割に魅力を感じたからです。身体を動かすことが好きで、日々の生活での動きについて考え続ける中で、リハビリテーションの分野に自分の進むべき道を見つけました。
私が入職したのは、守山市民病院が81番目の済生会病院として加わった年でした。2年後には回復期リハビリテーション病棟が開設されると知り、その開設メンバーとして働きたい思いが強くなりました。新しいリハビリテーションセンターでの仕事は、最新の機器や歩行練習支援ロボット(ウェルウォーク)などの導入、診療体制の洗練が進み、ワクワク感に満ちています。
現在、当リハビリテーションセンターでの勤務を通じて、「安全安心納得のリハビリテーション」を提供することに注力しており、特に「安全」を重視しています。患者さんは身体の不自由さや痛みなどを抱えながら、立つ、歩く、階段を上るなどの練習に取り組んでいますが、患者さんの恐怖心がある場合は「セーフティサスペンションシステム」を使用し、練習中に転倒しない環境を提供しています。このシステムを使用した歩行練習は、患者さんに安心感をもたらし、高いパフォーマンスを引き出しています。また、回復期リハビリテーション病棟での「転倒」の発生時期、時間帯、場所、動作、転倒者の身体認知機能などを分析し、対策の強化に努めています。患者さんの安全と自由な活動を考慮し、リハビリテーションを通じて生活の質を向上させることが目標です。
20代から90代まで幅広い年齢層の患者さんから、多くのことを学ばせていただいてきました。中でも印象に残っているのは、意識障害と呼吸障害などがある重症な状態から歩行できるようになった患者さんです。退院時には、「絶対に車椅子の移動でなく、歩けるようになってやると思っていた」と笑顔で話してくれました。患者さんの本当の気持ちを知って、より一層患者さんの期待に応えていきたいと考えるようになりました。そのため、臨床における動作分析を向上させていきたいと考え、3次元動作解析装置、筋電計やビデオ動作を用い、関節角度、運動軌跡や筋活動の分析にも取り組んでいます。客観的な情報を患者さんにフィードバックしながら、患者さんが明るくなる、機能改善に寄与する理学療法士を目指していきたいと思います。そして、認定理学療法士(脳血管、脊髄損傷)を取得し、専門家として知識、技術を磨いていきたいと思います。
学生の頃、部活動の野球で膝をけがして、理学療法士の先生にトレーニングやインソールの調整などを半年ほど指導してもらいました。リハビリ中は部活動に参加できなかったので、速いボールの投げ方や飛距離の出る打ち方を、プロ野球選手やチーム内の上手な選手の身体の動きを見て考えていました。これらの経験が、最初のリハビリテーションとのかかわりでした。
大学の臨床実習では、人見知りと自信のなさから患者さんとの会話に悩んだり、恐怖心を覚えたりもしました。また臨床実習を終えた後も、理学療法士として病状に適切な評価・治療を行うためには日々の研鑽が不可欠であることを改めて実感し、不安になったり悩んだりしましたが、どんな仕事でも同じと気付いたことで、良い意味で開き直ることができました。当院はさまざまなリハビリテーション機器がそろっており同じ大学の卒業生も多く、ここで頑張ってみたいと思い、入職を決めました。
回復期リハビリテーション病棟で勤務しています。多くの患者さんにとって私の年齢は孫やひ孫の世代にあたり、私の不出来にお気遣いいただくこともありましたので、少しでも早くご心配をいただくことのない診療をしていけるよう、コツコツと努力をしている最中です。患者さんのリハビリテーションプログラムについてなど、スタッフ間での相談はしやすいです。
患者さんの症状はさまざまで、元気に在宅復帰される方もいらっしゃる一方で、亡くなられる方もいらっしゃいます。オーダーメイドなリハビリテーションを行うことには難しさを感じますが、ニーズに応じることができたときや、治療の即時効果ができたときには、とてもやりがいを感じます。
退院後に他科受診で再会したある患者さんは、退院後のリハビリテーションの継続により、退院時よりも良くなっておられました。うれしかった一方で、ガイドラインや成書、文献などから明らかになっている知識、治療技術をもっと学び、より良いリハビリテーションを提供しなければと身が引き締まりました。また、全スタッフの経験を共有できれば、経験不足を克服していくことができるのではないかと考え、3年前より疾患ごとのデータベースを作成し運用をはじめました。少しずつですが、チーム内にデータ分析の結果をフィードバックしています。分析のレベルアップを図るとともに、臨床での直感と客観的データを融合させ、適切なリハビリテーションを行っていけるように努めていきたいと思います。
志の高い臨床を行っている病院で自分を成長させたいと考えていたところ、大学の一学年上の先輩から当院のことを聞きました。施設見学に参加し、これまでに知らなかった臨床システムや機器を案内してもらい、新しくきれいな環境とスタッフの雰囲気を見て、自分もこのメンバーの一員になりたいと思い、入職を決めました。
患者さんへ安全な医療の提供を行えるか不安がありましたが、ユニット(3人1組)の診療システムのおかげで、タイムリーに患者さんの情報を共有し、具体的な評価治療の指示をいただくことができ、落ち着いて診療に取り組めています。また、リハビリテーションセンターの充実した書籍の情報などを活用し、毎週、先輩と実技練習や診療の疑問点を解決する時間を設け、自分の診療スキルを高められるよう努めています。
脳卒中の患者さんを担当することが多く、特に運動麻痺の治療に関心を持っています。脳卒中後の経時的な運動麻痺回復の中枢神経再組織化のステージ理論があります(Swayer OBら 2008)。急性期の回復メカニズムは、残存している皮質脊髄路を刺激しその興奮性を高めることで (Corticospinal excitability)、麻痺の回復を促進する時期です(1st stage recovery)。 この興奮性は急速に減衰し、3カ月までには消失すると言われています。次のステージは、皮質間の新しいネットワークの興奮性(Intracortical ex-citability)に依拠する時期となり、3カ月をピークにこのメカニズムが再構築されます(2nd stage recovery)。大脳での組織的構築がなされる時期で、このメカニズムは6カ月までには消失すると考えられています。6カ月以後も持続して徐々に強化される機能は、リハビリテーションにより惹起されるシナプス伝達の効率化Training-induced synaptic strengthening であると考えられています(3rd stage recovery)。2nd stage により再構築された新しい代替えのネットワークにおいてそのシナプス伝達が効率化されることにより、出力のネットワークが一層強化され、確立される時期となります。
このような脳科学や脳卒中リハビリテーションのエビデンスに基づいた作業療法を行い、患者さんの上肢運動麻痺と日常生活活動の低下を少しでも改善させられるよう、頑張っていきたいと思います。
将来の進路を考えたとき、人の役に立つ仕事がしたいと思い、さまざまな職業を調べました。そこで「身体又は精神に障害のある方に対し、応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図る」という「作業療法士」に巡り合い、進学先を決めました。これまでずっと水泳をしていて、体を動かすことが好きなので、作業療法が向いているように思っています。
就職先を探す際は、回復期リハビリテーション病棟での臨床実習で患者さんから「ありがとう」と言っていただいた経験と、在宅環境を想定したADL練習を通じて在宅復帰の支援をしたいという思いから、リハビリテーションセンター内のADLシミュレーターが充実していて、回復期リハビリテーション病棟を有する当院を希望しました。
現在、先輩と一緒に、主担当と副担当を含め6人の患者さんを担当しています。プリセプターの先輩への相談がしやすい環境で、仕事に集中できています。しかし、緊張すると焦ってしまいミスしやすくなるので、診療前に、1日で行うことの必要な時間をイメージし、先輩と確認し、診療後にはその日の振り返りと翌日の計画を立てるようにしています。はじめはとても時間がかかりましたが、少しずつ慣れてきています。
入院中の患者さんは不安を抱えて生活されていますが、目標が達成されたときにはとてもすてきな笑顔を見せてくださいます。病棟生活の中でも、もっと笑顔を増やしていけるように、療法士間だけでなく、病棟看護師をはじめとするスタッフの方々と円滑な連携を図れるようにしたいと思っています。
病院で用意していただいた「主担当となるためのポイント」を参考に臨床力をつけるようにしています。今年度は、基本情報、背景、現病歴、既往、ニーズ、身体機能、認知機能、ADL能力の評価をしっかりと行い、治療目標に向かってリハビリテーションを実施したいと思っています。たくさんの症状がみられる方では、評価結果から問題点も多くなり、治療の優先順位が難しくなりますが、その点は、先輩からのアドバイス、療法士内でのレビュー、リハビリテーションチームカンファレンスなどで学ぶことができています。今後は、信頼性の高い評価を行い、問題点を整理し、患者さんのニーズに沿った妥当な治療を選択し、診療結果に喜んでいただけるよう頑張っていきたいと思います。
学生時代はサッカーに打ち込み、将来はスポーツ関連の仕事に就きたいと思っていました。スポーツ関連では理学療法士の先生が活躍していることが多いですが、身近に作業療法士で活躍している先生を知り、その先生のようになりたいと思ったことが、作業療法士になったきっかけです。
作業療法士になってからは、上肢の運動障害やセルフケアを中心とした日常生活活動の練習、高次脳機能障害に対するアプローチ(自動車運転評価など)の研鑽を積んできました。また、今年度は回復期リハビリテーション病棟協会主催のセラピストマネージャー研修受講の機会をいただきました。研修会で学んだ病棟マネジメント、診療のアウトカムの活かし方をチームに還元していきたいと思っています。スポーツを仕事にはしていませんが、充実した日々を送れています。
当リハビリテーションセンターは「安全安心納得のリハビリテーション医療の提供」をスローガンとし、行動目標を立て、日々の診療を行っています。なかでも、安心してリハビリテーションが行えるように、リハビリテーション総合実施計画書を用いた治療計画の説明と同意を100%実現するよう努めています。丁寧な説明によって、患者さんやご家族の不安がすべてなくなるわけではありませんが、ご自身が納得したリハビリテーション医療を受けられるようにチームで取り組んでいます。
また、多くのスタッフが、目標をもって行動しているように感じます。スタッフ全員が半年ごとにチームマネージャーと面談し、チームの行動目標をもとに、目標到達の自己分析を行っています。面談は、それぞれの課題克服のきっかけになっているように思います。若手が多い職場ですが、全員が目標設定を行うことで、お互いの刺激になり、スタッフ成長がしやすい環境になってきていると思います。
滋賀県済生会のグループでは、国が進めている地域包括ケアシステムの実現に向け、済生会滋賀メディカル・ヘルスケアセンター構想を掲げています。地域のみなさんに急性期から在宅までシームレスな医療を受けていだけるようにするための取り組みです。われわれ回復期リハビリテーション病棟の従事者は、患者さんの身体認知機能、日常生活活動の改善を最大限に図り、住み慣れた地域での生活に戻れるよう支援することが役割だと思います。退院後、病院生活と在宅での環境が異なるという課題が存在し、行えていた動作が在宅ではできなくなるということがあります。在宅復帰という切れ目の橋渡しとして、在宅リハビリテーション専門である訪問看護ステーションの療法士スタッフと一緒に退院支援をはじめています。このような取り組みを充実させ、患者さんやご家族が、少しでも安心して退院後の生活を送っていただけるよう、頑張っていきたいと思っています。
リハビリテーションを知るきっかけは、祖父が体調を崩したことでした。ベッド臥床が長く心配していたのですが、あるときお見舞いに行くと、階段の上り下りができるまでに回復しており、「リハビリテーションって、すごい!」と思いました。また、担当の作業療法士の先生から自宅環境の整備や日常生活の介助方法を丁寧に教えていただき、すぐに作業療法士を目指すようになりました。
当院への入職は、大学の恩師から薦めていただいたこと、病院見学の際に安心感のある環境と感じたことがきっかけでした。
リハビリテーションセンターは、スタッフ間のコミュニケーションが多いと思います。私自身、高校のソフトテニス部で副キャプテンを務め、キャプテンと一緒にチームを盛り上げていった経験も役立っていると感じます。また、私は若手ではありますが、ユニット(3人1組)内の後輩指導をしています。リハビリテーションセンターで配布されている資料【療法士が病院で職責を果たすためのポイント】を参考に、後輩と一緒に自己分析をしながら、課題の克服に取り組めています。
診療では、祖父と同じような方を担当することが多いです。あるご高齢の脳梗塞の患者さんは、入院時に車椅子自走ができず、ADLに介助を要していましたが、杖歩行、ADLがご自身でできるようになり、入院前の生活に戻ることができました。退院される際に「ここまでできるようになると思っていなかった、ありがとう」と声をかけていただいたことは、これまでで一番うれしい出来事として心に残っています。
退院後、自宅で安心安全な生活を送れるように、ADLの改善を導ける作業療法士になっていきたいと思っています。当院では、移乗、トイレ動作、移動(車椅子/歩行)のADLチェックシートを用いて、医師、病棟看護師、介護士、療法士が、それぞれの動作にどんな介助が必要であるかを共有しやすくしています。ADLチェックシートを基に、病棟生活での課題を共通認識し、チームで取り組みやすくなるよう協力しています。また作業療法士としては、各動作の工程による難易度を分析し、自立に向けた身体認知機能練習とADL練習の戦略を立てられるようにしたいと思っています。ADL改善に努め、退院後の生活に必要なサービスや福祉用具の使い方をご提案し、患者さんが笑顔で退院できるように、チャレンジ精神を持ってこれからも頑張っていきたいと思っています。
障害をもつ家族がいるので、リハビリテーションの仕事は身近なものでした。なかでも、日常生活に携われる領域の作業療法に興味を持ち、大学に進学しました。勉強していくと、作業療法士は、院内外で多くの職種、ご家族や地域の方々とのかかわりが大切であることを学びました。現在は、回復期リハビリテーション病棟で従事し、地域の医療と福祉にきちんとつなげられるように頑張っています。
当院は若いスタッフが多く、活気のある職場だと思います。また、チームワークによって、仕事とプライベートのバランスが良いように思います。作業療法士のスタッフ数は他職種と比べてやや少ないですが、高校の部活動で、限られたメンバーと時間の中で、いかにチームで協力しながら練習を継続すればよいかを考えてきた経験が、今、活かせているように思います。
回復期リハビリテーション病棟では、脳卒中や脊髄損傷などの中枢神経疾患のある方を診療する機会が多いです。脳卒中では麻痺のみられる方が多いですが、練習中の声かけ、触り方と誘導方法の違いによって、患者さんのパフォーマンスが変化することを経験しました。また、機能改善を図りながら、生活動作の中で身体をどのように動かせるようになるかを見てきました。できなかったことができるようになったときの患者さんの喜ぶ表情を拝見すると、とても嬉しい気持ちになります。退院される方の生活支援を行うなかでは、患者さんやご家族から「ありがとう」と言っていただくことが多く、とてもやりがいを感じられます。一方、すべての障害を克服できる状況ではありませんので、患者さんのお気持ちを支えられる力が必要だと感じています。先輩にサポートしていただきながら、勉強している最中です。
脳卒中の患者さんを担当し、自宅に車椅子で帰るために、退院前の家屋訪問(生活環境の確認)を行いました。病院と自宅では物理的な建物の構造や配置、患者さんやご家族の気持ちが異なり、移乗や更衣といった日常生活動作において、想定したパフォーマンスが発揮しづらいことを知りました。作業療法士として患者さんやご家族が望む生活に近づけるように、機能改善、日常生活動作の能力改善、介助方法の指導などの知識、技術を高め、さまざまな可能性を想定できるよう、学んでいきたいと思っています。
高校生の頃、絵本の読み聞かせ会や保育実習が楽しくて、将来は保育・福祉系の道に進みたいと思っていました。そんな中、父の入院に際して理学療法士の先生と出会い、リハビリテーションの仕事に興味を持ちました。私の好きな手芸、調理などの作業活動を仕事に活かせると知り、作業療法士を目指しました。
臨床実習では、病期によって、患者さんの気持ちに対する影響が異なるように感じました。病気や怪我が回復する過程で、一人ひとりの患者さんのありたい姿を目指し、個別性の高いリハビリテーションが行えるようになりたいと思い、回復期リハビリテーション病棟で働きたいと思うようになりました。偶然、仲の良い友人が住む街の近くで回復期リハビリテーション病棟を有する当院のことを知り、入職しました。
日常生活活動(Activities of Daily Living: ADL)が中等度から全介助の重症な脳卒中の40代の患者さんを担当させていただいた際、ご家族との関わり合いの大切さを再認識しました。コロナ禍で面会禁止であったため、スマートフォン操作の練習と支援によって、ご家族とのコミュニケーションを図りました。メッセージのやり取りや、写真・動画の共有により、ご家族にとても喜んでいただけました。身体認知機能、ADLの改善を図ると同時に、新しい技術(テクノロジー)を取り入れ、ご本人とご家族が少しでも幸せを感じられるような支援をしたいと思い、頑張っています。
3年目になり、後輩スタッフから相談されることが増えました。私自身がよく頼りにしている先輩のように、自分の経験を後輩に伝えていけるよう、学んでいきたいと思います。
自動車の運転を希望される方に対し、日常生活生活のご様子、神経心理学的評価、脳卒中ドライバーのスクリーニング評価、ドライビングシミュレーターを用いて、評価を行っています。高次脳機能を総合的に評価し、安全性の証明を行っています。また、器質性精神障害のある方々に対し、リハビリテーションの負荷や入院中のストレスを調整し、改善を図っていくことがあります。これらの経験を通して、高次脳機能障害に対するリハビリテーションの力を高めたいと思うようになり、昨年より「滋賀県立リハビリテーションセンター教育研修の高次脳機能障害コース」に参加しています。ご高名な講師の方々から学んだことを、高次脳機能障害のある患者さんへ還元していけるようになることが、現在の目標です。
学生の頃は水泳を頑張っていました。怪我による療養を余儀なくされた時期もありましたが、同じ教室の生徒がテレビの向こう側で活躍している姿を見て感化され、水泳に復帰した経験があります。この経験から療法士を目指すようになり、細かな作業が好きなので、作業療法士を選びました。大学4年生の臨床実習は、当院で9週間学ばせていただきました。実習当初、初めて見るリハビリテーション機器に驚いたことを覚えています。指導していただいた先生方には、明るい雰囲気の中、実習の目標をやり遂げられるように支えていただきました。当院の卒後教育、ユニットでの診療体制の中で学びながら患者さんを元気にしたいと思い、当院への入職を決めました。
患者さんの多くは私たちの約3倍の年齢で、人生の大先輩です。そんな患者さんたちとコミュニケーションをとる上で、入職直後に教えていただいた社会人・医療人・専門職としての心構えが役立っています。診療はユニット(3人1組)で主担当と副担当が1人の患者さんを担当しています。目標、練習プログラム、リスク管理の重要な情報を共有しやすい体制です。私たちが安心感をもって診療していますので、患者さんにも安心感を伝えられているのではないかと思います。
職場の雰囲気は、年齢、経験年数、職種を意識することなく、コミュニケーションが活発です。難しい症例は療法士の先輩に診ていただきながら進めていますので、患者さんにとっても自分自身にとっても、よい環境にあると感じています。
回復期リハビリテーション病棟に入院される患者さんのご家族へ、入院時、家屋状況を把握するための調査シートの作成を依頼しています。この調査シートを参考に、自宅の間取り、動線、家具などの配置、段差の高さなどを考慮し、身体認知機能練習、日常生活動作練習、環境調整を行っています。2023年度から、在宅でのリハビリテーションを専門とする滋賀県済生会訪問看護ステーションの療法士の先生と一緒に、退院支援をさせていただいています。既往に高次脳機能障害と嚥下障害のある大腿骨骨折の患者さんの退院支援を一緒にさせていただいた際は、屋内と玄関の条件を踏まえた歩行器の選定、日中の排泄方法、介護保険サービスについて助言をいただきました。また、リハビリテーション以外の、排泄処理、食事管理、とろみや服薬管理といった退院後生活の様子も指導いただきました。今後も、患者さんとご家族が住み慣れた地域で安心安全な生活を送っていただけるように、計画的な動作練習、福祉用具の選定と使い方などの環境調整、家族指導を学んでいきたいと思います。
私の通っていた保育園は障がいの有無に関係なく園児が集まるところだったので、自然と、障がいのある友達ともたくさん遊んでいました。このことは今でも良い思い出ですし、この頃から、障がいのある方やそのご家族の役に立ちたいという思いが芽生え、作業療法士を目指すきっかけとなりました。
就職先は、患者さんの機能改善、能力改善、在宅復帰を支援できる回復期リハビリテーション病院で勤務したいと考えていました。当院は、回復期リハビリテーション病棟が新設され最新のリハビリテーション機器がそろっていたこと、同年代のスタッフが多く活気にあふれていたこと、診療中の患者さんの能動的な姿を見て「その人らしいリハビリテーションができる」と思ったことから、入職に至りました。
日常生活活動(Activities of Daily Living: ADL)はFunctional Independence Measure(FIM)を用いて評価をしています。FIMは13の運動項目と5つの認知項目からなります。入院から4週間ごとに「しているADL」を看護師、介護福祉士、療法士が協議の上で採点し、リハビリテーション専門医を含めたチームで、活動度の変更、問題点と目標を共有し、治療内容と期間を決定しています。私は2023年度から、全患者さんのFIM評価のスケジュール管理を担い、多職種にアナウンスしています。治療計画における進捗を確認する場のスケジュール管理なので、重要な仕事を担っていると感じています。
また、自動車運転支援に関わらせていただく機会が増えてきました。運転操作が困難な患者さんの上肢の失調症状が軽減し、ハンドルやシフト操作が上達していくことを経験しました。これからも安全な自動車運転支援についてたくさんのことを学んでいきたいと思っています。
脳卒中患者におけるドライビングシミュレーターによる運転能力評価について、2023年に金沢で行われた『済生会リハビリテーション研究会』で発表する機会をいただきました。当院のある湖南圏域は、滋賀県内でも車の保有率は低いと聞いていますが、運転再開へのニーズは高いと感じています。入院患者さんで運転再開を希望される方には、神経心理学的検査、脳卒中ドライバーのスクリーニング検査、ドライビングシミュレーターの評価を行っています。脳卒中ドライバーのスクリーニング検査で合格点の判定であっても、ドライビングシミュレーターの評価では、課題が残されている結果が出ることがしばしばあります。総合的に評価を行い、安全第一の自動車運転支援が行えるようにしていきたいと思います。
かつては別の業界で仕事をしていましたが、働き方や人生設計について家族と話していくうち、作業療法士にたどり着きました。調べると、身体機能の改善に加え、精神的なサポート、趣味活動、ライフワークなどQuality of life(QOL)にアプローチする専門家であることを知り魅力を感じ、一念発起して、夜間部のある学校へ入学しました。働きながら学ぶ大変さはありましたが、解剖学、生理学、運動学で身体の構造や機能などの新しい知識が増えることが楽しく、有意義な生活でした。作業療法士の1年目は東京の病院で働いていましたが、一身上の都合で滋賀県に転居することとなり、当院の回復期リハビリテーション病棟開設を知り、新しい環境で働くことに期待を抱いて入職しました。
当リハビリテーションセンターは、近畿圏内の養成校から年間5名の作業療法の学生実習を行なっています。私は作業療法士6年目に臨床実習指導者研修に参加させていただき、診療参加型実習である見学、模倣、実施の手順を学びました。実習初日には、学生さんと養成校が定めた臨床実習の目的、目標を共有し、1週間ごとの計画を立てています。後輩育成を行いながら自分自身の知識、技術を振り返る機会にもなり、学びの多い時間となっています。ある学生さんが高次脳機能障害や認知症の患者さんの評価に悩んでいたときは、一緒に病態、症状、経過を確認し、評価計画の立案を行いました。学生さんが何に悩んでいるか、と、患者さんに必要なこと、の二つを整理することで、学生さんの行動がより積極的に変わったこともありました。まだまだ経験不足のことも多く、未熟さを感じることもありますが、チームマネージャーや先輩療法士と課題を乗り越えられたときは、達成感とともに、自己成長を感じられています。
回復期リハビリテーション病棟では、前日の夕方には、翌日のPT・OT・STのスケジュールを患者さんに配布し、準備をしていただけるようにしています。PT・OT・STの時間設定は、活気が沸くことを第一に考えています。また、病棟生活では、診察、看護ケア、投薬、着替え、食事、歯磨き、入浴、検査、面談、散髪など多数のイベントがあるので、多職種や病棟と連携し、患者さんの状態に合わせた生活リズムを作ってリハビリテーション治療効果を最大化することを考え、時間設定に努めています。配布しながら翌日のリハビリ予定をお伝えすると、「明日も頑張ろう」とお言葉をいただくことがあり、とても前向きな気持ちにさせていただけますし、診療に力が入ります。回復期リハビリテーション病棟での治療は疾患ごとに入院日数の限りがありますので、限られた時間の中で、患者さんの身体認知機能、日常生活動作を改善し、退院後も住み慣れた地域でQOLの高い生活を送れるよう、支援していきたいと思います。
作業療法士を目指した根底にあるのは、仕事中に親指を切断した父が日常生活で不自由する様子を見てきたことと、家族と共に祖母を介護してきた経験です。これらの経験から、同じような境遇の方の役に立つため医療従事者になりたいと思うようになり、新設された大学へ進学しました。病院実習では、自身の課題であったコミュニケーションを克服するための声のかけ方、会話の仕方、関係性の築き方を学ぶことができました。
広いリハビリテーションセンターに最新のリハビリテーション機器がそろった当院の病院見学に参加し、リハビリテーションを行う患者さんと先生方から活気を感じて、ここで患者さんを元気にする診療をしたいと思い、入職を決めました。
拘縮や疼痛の評価治療、急変時の対応など、分からないことがあるときは、通勤する電車の中で文献や図書を読んで調べています。また、仮説をもって臨んだ診療で悩んだときは、調べたことや観察したこと、身に着けた知識からの自分の見解をもってチームマネージャーに相談し、臨床指導をいただいています。患者さんへの接し方、触診の方法、優先順位をつけた課題の見つけ方と即時効果を間近で見て手ほどきいただき、分かるようになっていく瞬間は、充実感があります。
まだ経験は浅いですが、患者さんから感謝の言葉をいただいたときにはとてもやりがいを感じます。担当させていただいたある脳卒中患者さんは、回復期リハビリテーション病棟で長期療養され、ADL全介助から修正自立まで改善し、歩行器歩行で退院されました。「ここまで動けるようになると思っていなかった。ありがとう。」と声をかけていただき、これからももっと頑張って、患者さんの期待に応えていきたいと思いました。
脳卒中の患者さんを担当することが多く、特に手指機能の改善に関心を持っています。手指の巧緻性低下は日常生活を困難にします。当院では、上肢麻痺に対し、随意運動介助型電気刺激装置(Integrated Volitional control Electrical Stimulation device:IVES装置)を用いることがあります。麻痺の症状に応じ、適切な電気刺激療法と徒手による促通を行い、随意性、巧緻性をより改善していけるように取り組んでいます。そして、日常生活の場面で麻痺側上肢を円滑に用いられる動作指導、自主トレを含めた練習、手関節装具や自助具の活用などの環境調整につなげています。上肢麻痺の改善は簡単ではないと言われていますが、少しでも患者さんを支援していけるように、今後も頑張っていきたいと思います。
学生時代、回復期リハビリテーション病棟で働くことを希望していました。当院は、高次脳機能障害の診療だけでなく、摂食・嚥下障害にも積極的に取り組んでいることに魅力を感じました。実際に見学した際、患者さんとのコミュニケーションや訪問者に対する療法士の先生方の姿勢に感動しました。このような環境ならば、社会人、医療者として成長できるだろうと思い、入職を決めました。
新人の頃は、知識や経験不足のため疾患や障害の症状を理解することに苦労し、先輩療法士にアドバイスをいただきながら診療を進めていました。最近は、食形態や食事方法について、嚥下造影検査や嚥下内視鏡検査などの客観的な検査結果を踏まえ、自分から主治医と議論できるようになってきて、自分自身の成長を感じています。また、経験豊富な大学の先生から臨床に関して直接指導いただける環境があり、ますます成長していける職場と実感しています。
摂食・嚥下障害、失語症の知識を深め、患者さんご自身やご家族の気持ちを理解した精神的なケアを行いながら、機能障害に対し妥当な評価・治療を行い、客観的な指標を示し、リハビリテーションチームの一員として活躍したいと思っています。また、STとして、いつまでも続く安心感のある退院後生活に貢献していきたいと思います。
大学の言語学の講義を受ける中で、直感的に「言語聴覚士(ST)になりたい!」と思い、STを志しました。子育ての時間を大切にしたいと考えて、約9年間、仕事を離れていましたが、復帰後は毎日、無我夢中で勉強をしています。ご本人が実感する治療効果が現れ、摂食・嚥下障害や高次脳機能障害をもつ患者さんご本人やご家族が喜んでくれたとき、心から嬉しい気持ちになります。
これからも、知識やスキルをアップさせ、患者さんご本人やご家族が笑顔になっていただけるように、頑張っていきたいと思っています。
当リハビリテーションセンターは、チームワークの意識が高いです。スタッフ全員が、質の高いリハビリテーション医療を提供するという目標に邁進していく雰囲気があります。また、リハビリテーションチームの医師(リハビリテーション科専門医)、看護師、看護助手、メディカルソーシャルワーカー、管理栄養士、各療法士など、スタッフの関係は良好と感じています。リハビリテーションチームのメンバーは、患者さんとご家族の退院後生活を第一に考え、同じ目標に向かっていくことができていると感じます。この雰囲気のおかげで、私自身がくじけそうになっても、困難な課題を克服することができているのだと思います。
退院後も住み慣れた地域で、少しでも健やかな生活を送っていただけるように、STとして失語症の診療スキルを高めていきたいと思っています。今秋、日本リハビリテーション医学会学術集会で、学会発表をする機会がありました。発表の準備をしていく中で、私たちに必要な知識やスキルを理解していくことの重要性を学びました。また、高名な先生や他施設の先生の講演を拝聴し、たくさんの刺激をいただくことができました。臨床で観察したことと定量的評価から気付いたことを増やし、これらの知識をスタッフと共有し、チームで成長していければと思います。また、STの後輩指導では、「新しいことを知る楽しみや嬉しさ」を一緒に体験していきたいと思っています。
私が言語聴覚士を目指したきっかけとなったのは、祖父が、補聴器を勧める家族の提案を聞き入れてくれなかったことでした。厳格な祖父だったので、専門職の方の言うことなら聞いてくれるかもしれないと思い、専門職になろうと考えるようになりました。調べてみると、滋賀県内は言語聴覚士が少ないと分かり、人の役に立つ仕事で活躍できる場があるのではないかと思って言語聴覚士を目指しました。
学生時代は新型コロナウィルス感染症の流行中で、臨床実習に多くの制限がありましたが、回復期リハビリテーション病棟での臨床実習では、短い期間ながら、リハビリテーションの重要性を感じることができました。当院へ入職を希望したのは、回復期リハビリテーション病棟があること、言語聴覚士の在籍者数が多く、さまざまな学びの機会が多いのではないかと思ったことが理由です。
回復期リハビリテーション病棟で勤務しています。休みの日には趣味を楽しむ時間を持ち、自分や家族のためにDIYで植木を飾る棚などを作っています。仕事では、入職後、脳卒中による運動性失語がみられた患者さんを担当しました。失語症の方には、聴覚的理解、自発話(呼称、動作説明、漫画の説明)、復唱、語想起、音読(漢字、仮名)、読解(漢字、仮名)、自発書字・書き取り(漢字、仮名)、計算、計26の下位検査からなる標準失語症検査(Standard Language Test of Aphasia:SLTA)を行っています。この方の場合は音で聞くよりも文字を読む方が理解しやすく、音を聞いて復唱するよりも文字を読む方が正確だったので、音読と聴理解を中心に練習を進め、退院時にはご家族と簡単な会話が行えるようになりました。「ありがとう」と声をかけていただき、とてもやりがいを感じたうれしい経験でした。
失語症の治療には、認知神経心理学的モデルがあります。これは、認知モデルに基づく障害レベルの同定、障害された言語知識の明示、障害された言語知識を、保たれた言語過程を通じて学習・活性化する、といった作業を進める上で有益と考えられています。この方法は、言語情報を処理させる治療法から音韻、意味、統語に関する知識を直接的に与えることができます。この基本的な考え方を念頭に、患者さんの表情や言動をよく観察し、スムーズなコミュニケーションを引き出し、患者さんとご家族を笑顔にしていけたらと思います。まだまだ知識や経験が足りていませんが、新しいことをたくさん学び、祖父のような方の役に立てる専門家に成長していきたいと思っています。
大学卒業後4年間は、別の職に就いていました。そこで言葉の発達に障がいを持った方と関わることがありました。「会話を不自由なく行えることは、当たり前のようで当たり前ではない」と感じたことがきっかけで、言語聴覚士を目指しました。当院に入職を希望したのは、病院見学に来た際に見た新しくきれいな設備と、明るく活気のあるスタッフの様子、スタッフに話しかけやすい雰囲気を感じたことなどが理由です。また、3名のリハビリテーション専門医が在籍され、医学的に心強い環境であったことも志望理由のひとつでした。
回復期リハビリテーション病棟には、脳血管疾患による嚥下障害の患者さんが多くいらっしゃいます。患者さんに安全な食事をしていただくため、言語聴覚士は入院時に改訂水飲みテストや反復唾液嚥下テストを行い、医師や看護師と共に食形態や注意事項を検討する役割を担っています。嚥下機能に応じた食形態は「日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2021」を参考に、評価に基づき、医師や看護師(摂食・嚥下障害看護認定看護師)、管理栄養士、言語聴覚士が、誤嚥のリスク、食べやすさ、食事の楽しみなどを考慮し検討しています。食べることは窒息などのリスクがあり、気を抜くことのできない仕事ですが、良い緊張感で行えています。
休日は趣味のカフェ巡りを楽しんでします。休日の希望を相談しやすく、ワークライフバランスも保ちやすいと思います。
入職前は言語機能に興味があり勉強することが多かったのですが、現在は言語機能だけでなく、嚥下機能についても学ぶことの多い毎日を過ごしています。嚥下障害のある方は、4 つのステージに分けて考えるプロセスモデルに基づいて診療しています。食物の捕食後にその食物を臼歯部まで運び(stage I transport)、その後、食物を咀嚼し唾液と混和させ(processing)、咀嚼した食物を順次咽頭へと送る(stage II transport)、咽頭へと送り込まれた食物は嚥下までそこで蓄積し、最終的に口腔内で咀嚼された食物と一緒になって嚥下される(swallowing)、というモデルです。入職当時は、口腔や咽頭を評価して治療することが多かったのですが、「安定した姿勢で食事を摂ることや全身体力の影響」についても指導をいただきました。改めて当院の患者さんを見渡すと、加齢に伴い筋肉量が減少する「サルコペニア」という病態の方が多いことに気付きました。今後は、疾患に応じた嚥下動態、栄養摂取、筋力や筋量などの身体認知機能を考慮したゴール設定を行い、食べる楽しみにつなげられて、かつ安全なオーダーメイドのリハビリテーションを提供していけるように、頑張りたいと思っています。